安勤

組み込み産業用途に特化したコンピューターメーカであるAvalue Technology Inc.（TAIEX: 3479-TW）は、2025年6月10日に開催された取締役会において、産業用ディスプレイ企業のChamp Vision Display Inc.に対し、新台湾ドル2億4,786万元で株式51％を取得する戦略的投資を決議しました。本取引は2025年7月1日に完了する予定であり、AvalueはChamp Visionの筆頭株主となり、同社を子会社にする予定です。

Champ Visionの既存の大株主である光電業界大手のCoretronic Corp., (5371.tw) は、取引完了後も約40％の株式を保有し、第2位の株主として引き続き参画。

AvalueとCoretronicの2社が連携し、Champ Visionのさらなる発展を目指します。

Champ Visionについて

Champ Visionは2017年にCoretronicのLCDディスプレイ事業部から分社化して設立されました。設立当初から産業用ディスプレイに特化し、光学、機構設計、電子制御の高度な統合技術を兼ね備えた数少ない専門メーカーです。

Champ Visionは以下のような技術的強みを持ち、産業用途における信頼を築いてきました：

●高輝度・精度の高い色彩補正技術

●過酷な環境にも耐える堅牢設計

●ハード・ソフト・ファームウェアの整合/開発能力

●タッチ操作や放熱設計の高度な技術力

●高いカスタマイズ対応力

これらの技術を活かし、医療、製造、物流、リテール市場、交通、アミューズメント産業など数多くの分野で採用されており、国際的な大手顧客との長期取引関係も構築。近年の売上高は安定して新台湾ドル10億元を突破しており、着実な成長を遂げています。

戦略的シナジーとビジョン

Avalueは、今回の戦略投資によって次の3つのシナジーを実現します：

1.製品ラインの補完と販売チャネルの強化

これまで不足していた産業用ディスプレイ製品が加わることで、Avalueの製品ラインナップが補完され、国内外の既存販売チャネルを活用してさらなる市場拡大を図ることが可能に。

2.技術統合によるカスタマイズ力の向上

ディスプレイ分野の専門知識を強化することで、産業用PCとタッチ/ディスプレイモジュールの統合技術を活かし、製品の統合度・カスタマイズ性における優位性が大幅に向上。

3.顧客リソースの共有とソリューション価値の拡大

両社のグローバル顧客基盤および戦略の共有を通じて、付加価値の高いソリューションを提供し、双方にとって長期的な成長と企業価値の最大化を図る。

両社は技術力と顧客基盤の面で互いに強みを補い合う関係にあり、今後、事業や研究開発のリソースを統合することで、大きな経営効果や相乗効果が見込まれます。

またChamp Visionのみならず、CoretronicとAvalueの協力関係も強化されます。車載アプリケーションやAIなどの成長分野において、各社が連携しながらシナジーを最大化し、さらなる飛躍を遂げてゆきます。

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